アガスティアが現れるとき。(3)

部屋に入って待っているとき、目にするすべてのものがそれぞれ何か私に語るべきものを持っていました。

それはありの行列であったり、中に色分けされた液体がゆれる卓上ペーパーウエイトだったりさまざまでしたが、それらの一つ一つが次々私になにやら深遠な哲学を語ってくるのでした。

私はそれぞれの語ること一つ一つに耳を傾けました。


そうこうしているうちに、誰か館の人が入ってきて、壁にかけてあった日めくりのカレンダーを1年が1枚に全部書かれたポスター型のカレンダーに掛け替えていきました。


その様子を見て、わたしは今までは先が見えなかったけど、これからは時間を俯瞰するようになるんだな、と、思いました。
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